笑顔相続にお金の勘定。


笑顔相続には、どう遺言する?
遺言で争続に…お金の勘定を整えよう!


お金の勘定を整えなかった遺言で相続が争続となってしまう…、たとえばこんな遺言があったとしましょう。


もちろんご家族は仲が悪かったわけではありませんし、母は気持ちも付言で伝えられる遺言を残しました。
それでも残念ながら弟の奥さんには、この遺言と付言には納得しかねるものがあったようです。

弟の嫁の考え
夫の給与ダウン、住宅ローン、子供の大学進学を考えると、きっちり2分の1欲しい。介護といてっも義兄はほとんど何もせずヘルパー任せだったはず、家賃もなく親の車を使って、むしろズルイ。この前、銀行の相続セミナーで遺留分というものがあって、法定相続分の2分の1は最低もらえると言っていたから、あと500万円はもらえるはず。夫にはっきり言ってもらわないと。

争続発生!遺言は遺留分を考慮していませんでした。

遺留分とは、被相続人の遺言によっても侵害することのできない、相続人が相続に関して保障されている最低限をいいます。つまり、被相続人が不当な遺言を残した場合など、相続人を救済するものです。母の遺言は、この遺留分を侵害していました。


今回、母の相続財産は兄弟のみで分けますから、相続人全体の遺留分である2分の1×1/2で、各自が1,000万円の遺留分を持っています。新たな民法では、「遺留分権利者及びその承継人は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。」とされました。この請求を遺留分侵害請求と言います。


遺留分が侵害されている場合は、自分自身が請求して、はじめて遺留分を取り戻すことが できます。つまり、遺留分の請求をしなければ、遺贈などを受けた者がそのまま財産を取得することになりますので、明確な意思表示が必要です。
遺留分の侵害請求を受けた場合、今は「お金」で返す必要があるため、この場合、兄は遺言で相続した500万円を弟に渡すこととなるでしょう。

これは母の望んだことだったのでしょうか?
何が悪かったのでしょうか。

・兄弟とも思惑があるが、お互いに知らない(理解していない、勘違いしている)。
・母は遺言さえあれば大丈夫と信じていた。
・遺言の作成時に親子、兄弟間でコミニケーションが不足していた。
・外野(それぞれの嫁)が相続に口出ししている。

いいえ、大事だったのは、お金の勘定を整えた遺言とすることでした。

母は遺言に付言(ふげん)をつけ、想いを伝えれば大丈夫と考えていました。
ただ、付言には法的な効力はありません。それでも付言は遺言の真意を知る材料になりますし、付言の内容や遺言者と相続人の人間関係次第では、法的効力がなくても相続人が遺言を守ってくれることを期待できる場合もあり、その意義は十分にあります。
付言で、自身の気持ちを伝えることで、遺留分侵害請求を思い留まってもらえる可能性は大いにあります。

また今回、母はどういう気持ちで遺言を残されるのか、生前から兄弟、そして親族にも気持ちを伝えていれば、事情を汲んでもらえたかもしれません。

兄弟間で遺留分の侵害請求をするような事態となれば、兄弟間の仲は今まで通りとはいかなくなる恐れがあります。軽率な遺言や付言は、家族間、兄弟間に亀裂を及ぼすこともあると認識しましょう。
遺言や付言の作成をされる時には、必ず遺留分についても考慮し、遺留分を侵害しそうな時にはあらかじめ十分なコミニケーションをとり、自身が亡くなった後のトラブルを回避できるよう対策しておきましょう。

それでも、当事務所は遺言には付言を添えることをお勧めしております。

笑顔相続の遺言のためには、気持ちの感情お金の勘定を整えることが大事です。

お金の勘定を整えることは、笑顔相続にとても大切なことなんです。
行政書士佐々木秀敏事務所は、笑顔相続ができる遺言となるよう、お手伝いする仙台の行政書士です。


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